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吸血鬼カーミラ
レ・ファニュ:著/平井呈一:訳/創元推理文庫

 レ・ファニュはイギリス怪奇小説の祖である。ひとたび怪奇を語り、恐怖を描くときのその筆さばきは、まさに神技と呼ぶほかはない。本書には数多いレ・ファニュの作品の中から、レスビアニスムの漂う表題作をはじめ、夜ごと窓辺に現れる白い手を描いた「白い手の怪」、旧家の遺言争いをめぐる動物怪異譚「大地主トビーの遺言」など、作者の真価を伝える傑作全七編を収録した。他収録作「墓掘りクルックの死」「シャルケン画伯」「仇魔」「判事ハーボットル氏」
 吸血鬼はカーミラのみ。


M・R・ジェイムズ怪談全集1 /
M・R・ジェイムズ:著/紀田順一郎:訳/創元推理文庫

 ミステリにおけるコナン・ドイルと並び称されるイギリス怪奇小説の巨匠、M・R・ジェイムズ。彼が学究生活のかたわら創作し、友人や学生たちに語り聞かせた怪談の全てを2冠に収める。第1巻にはラヴクラフトをも嘆息せしめた傑作「マグナス伯爵」や、ありえぬ部屋の怪を描く「十三号室」など、古書・古物趣味に彩られた恐怖の愉しみ溢れる15編を収録。第2巻には、古書市で競り落とした日記が招く恐怖を描く傑作「ポインター氏の日記帳」、現実の事件を暗示する人形劇の悪夢「失踪綺譚」など後期の作品に、本邦初訳の未刊作品を加え、21篇を収録。
 吸血鬼モノとしては、1「マグナス伯爵」、2「むせび泣く泉」。
 吸血鬼、と書かれている訳ではありませんが、そう言われているので一応収録。主人公の多くが、17世紀以前の好古家。どの話も定石を踏んでいるにも関わらず、古き良き時代を味わいながら、先を読む楽しみのある良質の作品集。


フランス幻想小説 吸血女の恋
テオフィル・ゴーチェ:著/小柳保義:訳/現代教養文庫

 純潔な神学生が絶世の美女の魅力に呪縛される。実は彼女は娼婦で、しかも死ぬたびに甦っては愛する男の血をすする吸血鬼。だが彼女の正体を知ったちもイヨイヨ熱情をつのらせて、昼は謹厳な司祭で、夜は妖女との愛欲におぼれる遊蕩児に変身する青年僧の奇妙な二重生活を描く『吸血女の恋』。ほかに、王妃の艶麗なヌードシーンを家臣にのぞき見させたために命を落とす王の話『カンダウレス王』、アラビヤン・ナイトのエキゾチックで夢幻的な情緒を盛った大人の童話『千二夜物語』、吉凶の双つ星のもとに生まれた若者が自分の分身と戦って幸運をかちとる『双つ星の騎士』、の三篇を収録する。
 『死女の恋』あるいは『クラリモンド』と呼ばれる作品。




推奨 書物の王国12 吸血鬼

  「コリントの花嫁」 ゲーテ
  「断章」 バイロン
  「吸血鬼」 ポリドリ
  「ドラキュラの客」 ストーカー
  「ベレニス」 ポオ
  「月のさやけき夜」 ウェルマン
  「仮面舞踏会」 ダーレス
  「吸血鬼は夜恋をする」 ウィリアム・テン
  「血の末裔」 マチスン
  「吸血鬼」 ボードレール
  「クラリモンド」 ゴーティエ
  「ラテン系ユダヤ人」 アポリネール
  「刺絡」 シュトロブール
  「夜ごとの調べ」 ステンボック伯爵
  「死者の訪ひ」 スロヴァキア古謡
  「吸血鬼の茶店」 紀ホ
  「紫女」 井原西鶴
  「吸血鬼」 日影丈吉
  「支那の吸血鬼」 山尾悠子
  「樅の木の下で」 須永朝彦
  「室内楽」 寺山修司
  「吸血鬼幻想」 種村季弘
  「狼の血と伯爵のコウモリ」 長山靖生
  「アイリッシュ・ヴァンパイア」 下楠昌哉
  「夜の末裔たち」 菊地秀行
 代表作を纏めた、文学における『Truth in Fantasy』シリーズ。手に取りやすい本でもあると思うので、『ドラキュラ』と『インタビュー〜』を読んだら、入門編として読んでおきたい。




ヴァンパイア・コレクション
ピーター・ヘイニング:編/風間賢二:訳/角川文庫

 古来より、恐ろしい闇の生き物として人間に取り憑き、“生命の源”である血を啜ることで不死の存在であり続けるとされた『吸血鬼』。ブラム・ストーカーの古典的名作『吸血鬼ドラキュラ』以後も、このモンスターのイメージは様々な小説のモチーフとなり続けている。
 本書では、本邦初訳の古典から、S・キング、A・ライス、R・ブラッドベリ、W・アレン等、現代の超一級の幻想文学作品までを幅広く取り上げる。いまだかつてない、吸血鬼物語の集大成。
  「ドラキュラ城の崩壊」

古典的吸血鬼譚
  「骸骨伯爵―あるいは女吸血鬼―」 エリザベス・グレイ
  「吸血鬼の物語」ジェームズ・マルコム・ライマー
  「蒼白の貴婦人」アレクサンドル・デュマ&ポール・ボカージ
  「白い肩の女」ジュリアン・ホーソーン
  「ソーホールの土地のグレッティル」フランク・ノリス
  「血の呪物」モーリー・ロバーツ

フィルムの中の吸血鬼たち
  「島の花嫁」バイロン卿(ジェイムズ・ロビンソン・プランシェ)
  「夜の悪魔」ピーター・トリメイン
  「兇人ドラキュラ」ジミー・サンスター
  「ダーク・シャドウズ」マリリン・ロス
  「新・死霊伝説」ステーィヴン・キング
  「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(抄)」アン・ライス

現代に蘇るヴァンパイア
  「ヴラド伯父さん」クライヴ・シンクレア
  「ドラキュラ伯爵」ウディ・アレン
  「十月の西」レイ・ブラッドベリ
  「闇の間近で」シオドア・スタージョン
  「デイ・ブラッド」ロジャー・ゼラズニイ
  「死にたい」ウィリアム・F・ノーラン
  「読者よ、わたしは彼を埋めた!」ベイジル・コッパー
  「出血者」リチャード・レイモン
  「ドラキュラ―真実の物語」ジャック・シャーキー
 「インタビュー〜」が収録されていることから分かる通り、長編や連載からの抜粋もある。




吸血鬼伝説 ドラキュラの末裔たち
仁賀克雄:編/原書房

血鬼からSF吸血鬼まで、吸血鬼をホラーの対象として怖がり、あるいはブラック・ユーモアとして楽しめるものである。
  「黒の啓示」 カール・ジャコビ
  「血の末裔」 リチャード・マシスン
  「炎の十字架」 レスター・デル・リー
  「吸血鬼の村」 エドモンド・ハミルトン
  「心中の虫」 シリル・M・コーンブルース
  「狼女」 バセット・モーガン
  「夜だけの恋人」 ウィリアム・テン
  「影のない男」 シーバリー・クイン
  「アヴロワーニュの逢引」 クラーク・アシュトン・スミス
  「墓からの悪魔」 ロバート・E・ハワード
  「お客様はどなた?」 オーガスト・ダーレス
  「わたしは、吸血鬼」 ヘンリー・カットナー
  「聖域」 A・E・ヴァン・ヴォークト
  「マント」 ロバート・ブロック
  「会合場所」 チャールズ・ボウモント
 古典というだけあって、話は殆ど定型化した伝統的ホラー。一般人よりは、吸血鬼小説のコレクターズ・アイテム。




血も心も
エレン・ダトロワ:編/小梨直:訳/新潮文庫

 若い女性の首筋を狙う古典的なヤツから、あなたの心を、感情を、生命力まですべてを汲み尽くそうとする現代型まで、吸血鬼にも様々なタイプがあります。ナチスの強制収容所で生き延びようとする吸血鬼の話「死者にまぎれて」、ワインならぬ生血のヴィンテージにこだわる社交クラブのヴァンパイアたちを描く「乾杯!」など17編を収録。吸血鬼が血だけで満足するとおもったら大間違いです。
  「死は快楽」ダン・シモンズ
  「海はどこまでもぬれにぬれ」ゲイアン・ウィルスン
  「銀の首輪」ギャリー・キルワース
  「鈍刀で殺れ」ハーラン・エリスン
  「静脈条虫」スコット・ベイカー
  「ラザロ」レオニード・N・アンドレイエフ
  「乾杯!」ハーヴィ・ジェイコブズ
  「沙漠のヴァンパイア、よみがえる」シャロン・N・ファーバー
  「夜はいい子に」エドワード・ブライアント
  「飢えた目の女」フリッツ・ライバー
  「ジャンフィアの木」タニス・リー
  「闇の申し子」スーザン・キャスパー
  「夜想曲」スティーヴ・ラズニック・テム
  「死者にまぎれて」ガードナー・ドゾワ&ジャック・ダン
  「その悲しみを…」チェット・ウィリアムスン
  「ホログラム」ジョー・ホールドマン
  「汚れ仕事」パット・キャディガン
 十七編中、十編が血ではなくエネルギーを吸い取る吸精鬼ですが、適度に血を見せる編集は良。すべて書き下ろしで各話に著者紹介と作品に対する著者のコメント付き。




血 吸血鬼にまつわる八つの物語
大原まり子、他:著/ハヤカワ文庫

 人間の生き血を吸わなければ生きてゆけない伝説の怪物――吸血鬼。数々の忌まわしい言い伝えに彩られ、人々を恐れおののかせてきた禍々しくも美しい怪異が、八人の創造者の手によって、今ここによみがえる。『吸血鬼ドラキュラ』を世に問うて100年の時が過ぎた20世紀末、血を吸う悪魔の恐怖は新たに形を変えて、ひ弱な人間たちにまたも襲いかかる。現代吸血鬼小説の最先端を収録した豪華アンソロジー。
  「13」 大原まり子
  「かけがえのない存在」 菊地秀行
  「薔薇船」 小池真理子
  「エステルバージ・ケラー」 佐藤亜紀
  「アッシュ」 佐藤嗣麻子
  「一番抵当権」 篠田節子
  「スティンガー」 手塚眞
  「血吸い女房」 夢枕獏




屍鬼の血族
東雅夫:編/桜桃書房

 日本吸血鬼小説大全。ヴァンパイア・ジャパネスクの豊穣とその偉業。今日われわれは「屍鬼」という言葉を冠する二冊の書物を知っている。ソーマデーヴァ『屍鬼二十五話』と、小野不由美『屍鬼』である。かたや十一世紀インド有数の詩人の手になる伝奇物語集。こなた、当代きってのストーリーテラーの手になるホラー・ジャパネスク巨編。そして、西洋のヴァンパイア伝説とはおのずと趣を異にする「東邦吸血鬼譚」一千年の歴史は、遠く古代ヒマラヤ山中に淵源する『屍鬼二十五話』に始まり、二十世紀末極東の『屍鬼』に及ぶ…といっても過言ではないのである。以って、本書を『屍鬼の血族』と命名する次第。
  「吸血鬼(短編)」江戸川乱歩
  *「吸血鬼」中河与一
  「吸血鬼」城昌幸
  「吸血鬼」柴田錬三郎
  「吸血鬼」日影丈吉
  「ドラキュラ三話」岡部道男
  「血霊」半村良
  「干し若」梶尾真治
  *「週に一度のお食事を」新井素子
  *「吸血鬼の静かな眠り」赤川次郎
  *「仲間」三島由紀夫
  *「ヴァンピールの会」倉橋由美子
  *「影の狩人」中井英夫
  「契」須永朝彦著
  「D−ハルマゲドン」菊地秀行
  *「一本足の女」岡本綺堂
  *「夜あけの吸血鬼」都筑道夫
  「かわいい生贄」夢枕獏
  「愛撫(なだめ)(吸血鬼エフェメラ)」大原まり子
  *「吸血鬼入門」種村季弘
 下の『血と薔薇のエクスタシー』の増補再録版(*は再録)。


血と薔薇のエクスタシー 吸血鬼小説傑作集

  *「仲間」 三島由紀夫
  *「ヴァンピールの会」 倉橋由美子
  *「影の狩人」 中井英夫
  「森の彼方の地」 須永朝彦
  「蝙蝠」 岡部道男
  *「吸血鬼の静かな眠り」 赤川次郎
  *「週に一度のお食事を」 新井素子
  「メイク・アップ・ストーリー」 菊地秀行
  *「吸血鬼」 中河與一
  「女優」 日影丈吉
  「抑制心」 星新一
  「黄色い吸血鬼」 戸川昌子
  「ちのみごぞうし」 岸田理生
  *「一本足の女」 岡本綺堂
  *「夜明けの吸血鬼」 都筑道夫
  *「吸血鬼入門」 種村季弘
 出版自体は1990年ですが、60〜70年代の話が入っているので、読み慣れていないと少々読み難いです。飛ばさずに読むつもりなら国語辞典とカタカナ語辞典が必須。(2002/02/12現在在庫無し)
 (*は『屍鬼の血族』に再録)




ドラキュラドラキュラ 吸血鬼小説集
種村季弘:編/河出文庫

 ロマン派からポップ文学いにたるまで脈々と受け継がれた“血”の系譜……十九世紀のヨーロッパに一躍吸血鬼ブームを巻き起こしたポリドリの『吸血鬼』を筆頭に、メリメ、ジュール・ヴェルヌ、コナン・ドイルからジェラシム・ルカ、H・C・アルトマンまで、文学史上にユニークな歯後を残す吸血鬼小説を、稀代の吸血鬼愛好家種村季弘が精選した名品珍品揃いのミニアチュール・アンソロジー。
  「吸血鬼」ジャン・ミストレル
  「グスラ(抄)」プロスペル・メリメ
  「吸血鬼」ジョン・ポリドリ
  「吸血鬼の女」E・Th・A・ホフマン
  「カルパチアの城(抄)」ジュール・ヴェルヌ
  「吸血鳥」マルセル・シュオッブ
  「サセックスの吸血鬼」コナン・ドイル
  「吸血鬼」ルイージ・カプアーナ
  「吸血鬼を救いにいこう」ベレン
  「受身の吸血鬼」ジェラシム・ルカ
  「ドラキュラドラキュラ」H・C・アルトマン
 1973年の薔薇十字社版の改編、1980年の大和書房版の再版。薔薇十字社版からは小説「謝肉祭」ロレンス・ダレルの他、エッセイ「吸血鬼たち」A・カルメ、「吸血鬼」ヴォルテール、「吸血鬼譚」日夏耿之介 の三篇が版権の関係で削られている。




妖魔の宴ドラキュラ編1
嶋田洋一:訳/菊池秀行:監修/竹書房文庫

 魔界の貴公子、ドラキュラ伯爵の館へようこそ! ベラ・ルゴシ主演の記念すべきドラキュラ映画『魔人ドラキュラ』が発表されてはや60年。巨匠フランシス・コッポラはブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を新たに映像化(93年正月映画)し、魔人復活ムーブメントは必至。本書はホラー、ミステリー、SFなどの分野で活躍中のベテラン作家が吸血鬼ドラキュラをテーマに競作し、監修の菊池秀行による書き下ろしエッセイを加えた、ホラー・アンソロジーの決定版である。
  「ランプリング・ゲートの主」アン・ライス
  「スタイルの問題」ロン・ディー
  「選抜試験」エド・ゴーマン
  「隠れ家の吸血鬼」ヘザー・グレアム
  「十番目の学生」スティーヴ・ラスニック・テム&メラニー・テム
  「誰にも欠点はある」フィリップ・ホセ・ファーマー
  「一九四四年のドラキュラ」エドワード・D・ホック
  「ドラキュラの子供たち」ダン・シモンズ
 登場するのは、首から血を吸い夜に生きる典型的なイメージ通りの吸血鬼。安心して読めるアンソロジーです。シモンズの「ドラキュラの子供たち」は『夜の子供たち』の最初部分を改変したような作品。発表前に短編として出していたのかもしれませんね。しかも、これはこれで十分読むに耐える短編に仕上がってます。買って損は無い。




妖魔の宴ドラキュラ編2

 本書は、ドラキュラ伯爵とその眷属の物語である。ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』という物語は数多くの作家たちの手によって果てしなく増殖し続け、数多くの末裔たちを生み出してきた。ベラ・ルゴシ主演の『魔人ドラキュラ』から60年経った現在まで、クリストファー・リイ主演の作品など無数のドラキュラ映画が製作され、巨匠フランシス・コッポラ監督も新たに大作映画化に挑戦した。本書はそういったストーカーの子供たちの活躍を、SF、ミステリー、ホラーなどの分野の俊英たちが描いたホラー・アンソロジーの決定版である。
  「感染」ジャネット・アシモフ
  「かわいいベイビー」カレン・ロバーズ
  「吸血鬼の夢」ディック・ロスティ
  「杭なき人生」ケビン・J・アンダーソン
  「恐怖の名前」ローレンス・ワット・エヴァンズ
  「暗い夜明け」W・R・フィルブリック
  「ロス・ニーニョス・デ・ラ・ノーチェ」ティム・サリヴァン
  「小夜曲」マイク・レズニック
  「ロキュラダおじさん」ジョン・ラッツ
  「時の先端」ジョン・グレゴリー・ベタンコート
  「夜の子供たち」クリスティン・キャスリン・ラッシュ




怪奇と幻想1 吸血鬼と魔女
ロバート・ブロック他:著/矢野浩三郎:編/角川文庫

  「猫の影」ロバート・ブロック
  「墓場からの帰還」ロバート・シルヴァーバーグ
  「恐怖の来訪者」トマス・プレスケット・プレスト
  「眠れる都市」マイセル・シュオップ
  「噛む」アントニー・バウチャー
  「メリフロア博士の最後の患者」ミンドレット・ロード
  「オルラ」ギィ・ド・モーパッサン
  「マグナス伯爵」M・R・ジェイムズ
  「葦毛に乗った女」ジョン・コリア
  「血は命の水だから」F・マリオン・クロフォード
  「妖虫の谷」ロバート・E・ハワード
  「分裂症の神」クラーク・A・スミス
  「夜の風が吠える時」L・スプレイグ・ド・キャンプ&フレッチャー・プラット
  「魔女戦線」リチャード・マシスン
  「ヘンショーの吸血鬼」ヘンリー・カットナー
  「吸血鬼の告白<ノンフィクション>」ジョン・ヘイグ
 吸血鬼を思わせるものはありますが、吸血鬼というよりはタイトル通りの怪奇幻想小説集。ちなみに、最後に収録されているのはロンドンの吸血鬼・酸の吸血鬼と呼ばれた、ジョン・ジョージ・ヘイの告白。内容的には吸血鬼本に書いてある以上のことは書いてないですが、他に読めるのは月刊ペン社の『アンソロジー・恐怖と幻想』くらいらしいので、読みたければ買ってみても良いかも。




就眠儀式 須永朝彦吸血鬼小説集
須永朝彦:著/西沢書店

  「契」
  「ぬばたまの」
  「樅の木の下で」
  「R公の織畫」
  「就眠儀式」
  「神聖羅馬帝国」
  「森の彼方の地」
  「蝙蝠男」
  「薔薇色の月」
  「三題噺擬維納風贋畫集」
  「ガリヴァの知られざる旅」
  「紅くて然も暗い憧憬」
 須永朝彦の吸血鬼短編集。初版昭和49年の為、前編通して旧字文語体。




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