† 血液
>> Blood
 複雑な組成を持ち、心臓から動脈、毛細血管、静脈と閉鎖循環系を循環する液体。血液量は全体重の7〜8%。粘度は水を1とすると男性5.4、女性4.5。
  1. 個体の組織に、肺の毛細血管赤血球中のヘモグロビンによって結合された酸素と、不可欠な栄養物とを供する。
  2. 代謝産物を集めて排泄器官まで輸送する(特にCO2を肺に、窒素化合物、各種塩、酸、電解質その他の産物を腎臓と肝臓に)。
  3. ホルモン、ビタミン、ある種の酵素、熱を輸送する。
  4. 個体の体液性平衡と、特に血管内体液区分の主構成分として電解質平衡の保持に貢献する。
  5. 個体の免疫防御機構に広範に関与する。特にリンパ球の働きと食作用の過程によって、すべての外来抗原に対する特異抗体を産出する。


† 血液の成分

血球(細胞)成分(全血中の 45%)
赤血球(96%)
白血球(3%)
血小板(1%)

血漿成分(全血中の 55%)
水分(91%)
血漿蛋白質(7%)
  血清アルブミン(3.85%)
  血清グロブリン(2.8%)
  凝固因子(0.35%)
脂質(脂肪酸,コレステロール)(1%)
糖質(0.1%)
無機塩類(0.9%)
老廃物


† 赤血球
>> Erythrocyte
 無核、両面がくぼんだ円盤状細胞。血液1mm3(=1μL)中に男性約410〜530万個、女性約380〜430万個含まれている。直径7.5μm、厚さ2μm、容積87μm3。また、赤血球の容積のおよそ30%を血色素(ヘモグロビン:hemoglobin(Hb))が占め、生体に必要な酸素を輸送するが、年齢による差が大きく加齢とともに減少する。骨髄で作られ、寿命は100〜120日。
 循環血液量のなかで赤血球量の占める割合を体ヘマトクリットという。
 ヘモグロビンは肺の毛細血管で酸素と結合、各組織で酸素を分離することで身体に酸素を供給している。


† 白血球
>> Leukocyte
 球形、有核の血液細胞で、色がついていないために白色の外観をしており、大きさは型によって様々。(しかし、ある変異に対してアメーバ状の変化を被り得る)。血液1mm3(=1μl)中に約5〜9000個含まれている。
 顆粒球と単球の貪食作用によって感染性因子に対する生体防御において重要な作用を果たしている。
正常比率
好中性顆粒球(45〜60%)
好酸性顆粒球(1.5〜4%)
好塩基性顆粒球(0〜0.5%)
リンパ球(30〜45%)
単球(3.5〜6%)


† 血小板
>> Blood platelet
 核のない血球。直径1〜4μmで、血液1mm3(=1μl)中に約14万〜36万個含まれている。寿命は7〜10日。怪我などで出血したとき、血液凝固によって血管壁を補修したり出血を止めたりする。形状は様々で、楕円、三角、半円、菱形などをとる。


† 血漿
>> Plasma
 血液の液性部分で、その中に血球等の有形成分が浮遊している。凝固の際、血漿はフィブリン(凝固部分)と血清とに分離する。




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