ペリドット (Peridot)
((Mg,Fe)2SiO4

 橄欖(かんらん)石。鉱物としての名はオリヴィンと呼ばれ、特に宝石となるものをペリドットと呼ぶ。鉄に起因するオリーブグリーン色をもつ宝石で、オリヴィン(橄欖石)の名前もそこに由来する。ペリドットの名は、よく似た石のエピドートと同じく、多彩な色の増加を意味するepidosisに由来するらしい。
 古くは産地であった紅海のセント・ジョンズ島を船乗りが霧の中を捜し求める(topazin)ことから、トパゾスと呼ばれていたが、その後鉱山が再発見され、現在のペリドットだったことが判明した。
 古代エジプトでは黄金石として太陽神に見立てて崇め、ファラオの装飾品などに用いていたといわれる。そこから暗闇への恐怖を打ち払い、悪霊から身を守るとされる他、ストレスや精神的な疲れを軽減するともいわれる。また、特に黄金との相性が良いとされる。
 中世のマルボドゥスやレオナルドゥスによると、熱湯にトパーズ(ペリドットのことを意味している)を投じると、たちどころに冷水に変わり、色欲や狂気を抑え、痔を治すともいわれる。


(1) 八月(処女・天秤宮)の誕生石。
(2) モース硬度は6.5〜7。水や紫外線、塩分にも強いが、衝撃には強くない。
(3) プリニウスの『博物誌』では、トパゾスの金色をしたものは「リーキの汁(西洋ネギ)」に似ていると記されているが、ペリドットのことを意味しているようだ。11世紀のマルボドゥスや16世紀のレオナルドゥスもトパーズの名で呼んでいる。更に19世紀までは色の違いなどによって各国でオリヴィン、ペリドット、クリソライト(黄金石)等と呼ばれていたが、近年ペリドットに統一された。
(4) 属性を分類するなら光系統の水・冷気。