ブラッドストーン (Bloodstone)
(SiO2+不純物)

 血玉髄。ジャスパー(碧玉)の一種で、暗緑色の地に酸化鉄に由来する赤い斑点があるもの。
 赤い斑点は、十字架に架けられたイエス・キリストの血が下にあった碧玉に落ちて生まれたものだと云われ、キリスト教の影響下では特別な力が備わっているとして好まれた。『ヨハネによる黙示録』によると新しいエルサレムの第一の礎石は碧玉だが、象徴的にこれにブラッドストーンを当てることもあるようだ。勇気や献身、堅固を暗示する。
 古くから血に関連づけられ、止血や血液病の治療、怪我や流産の予防などに有効とされる。
 また、エジプトのヘリオポリス(太陽の都)で採掘されたため、ヘリオトロープとも呼ばれ、「太陽に向かう」という意味を持つことから、太陽や日蝕に関連付けられていた。ギリシアでは植物のヘリオトロープと一緒に持つと自分の姿が見えなくなるとも云われ、兵士のお守りにされていたらしい。


(1) 三月(白羊宮・双魚宮)の誕生石。1月15日あるいは9月14日の誕生石。
(2) ドイツでは、血石(Blut-stein)はヘマタイト(赤鉄鉱)のことでもある。また、古代ローマで鏡面状に磨いて占いや天体観測に用いられたとする記述も、金属光沢を持つヘマタイトのことであったようだ。
(3) アルベルトゥス・マグヌスによれば、降霊術者に「バビロンの貴石」呼ばれ、寺院の僧侶が予言などを解釈するのに使われたと云う。また、植物のヘリオトロープと一緒にすれば、効力を増すとも言われる。
(4) 黄色い斑点がある場合いは、プラズマ(Plasma)と呼ばれる。