明智左馬助の恋
加藤廣:著/文春文庫

(後醍醐天皇から錦旗を賜った祖先を持つ三宅弥平次はその出自を隠すべく、明智家の養子となって左馬助を名乗り、信長方についた主君とともに参謀として頭角を現すようになる。秀吉との出世争い、信長の横暴に耐える光秀を支える忠臣には、胸に秘めたある一途な決意があった。『信長の棺』『秀吉の枷』に続く本能寺三部作完結編。)

信長の棺秀吉の枷に続く三部作完結。
最初のような劇的な展開はもうありませんが、前作の裏を固めるような一作。そういう意味で完結編として読みたい。
情報の重要性という観点から見た本能寺の一見解。


明智左馬助の恋(上)

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明智左馬助の恋(下)

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P2
ルイス・ミゲル・ローシャ:著/木村裕美:訳/新潮文庫

(在位33日での突然の法王死去。1978年9月のある朝、法王ヨハネ・パウロ一世が自室で遺体となって発見されたのは紛れもない史実である。そしてそこに陰謀の存在が囁かれていたことも。その30年後、ロンドン在住の女性記者サラのもとに一通の手紙が届く。暗号、謎の人名リスト、鍵。襲撃者をかわし続けるうちに彼女が知った影の組織P2とは…。南欧発の世界的ベストセラー・ミステリ。)


即位33日で死んだヨハネ・パウロ一世の死の真相と、P2(プロパガンダ・デュー)というフリーメイソン系の組織による陰謀を扱う。
現実世界の人物や展開がいまいちですが、史実を基にした歴史ミステリとしてはなかなか佳作。

著者自身が聞いた話を基にしているというのがどこまで本当なのか?
2018年に公表するとのことなので期待。
本作も続きを暗示して終わる。次回作はできているそうなので、邦訳を待つ。
原題は、ポルトガル語版「O Ultimo PAPA」(最後の教皇)、スペイン語版「La Muerte Del PAPA」(教皇の死)。
英語版も「Last Papa」とのこと。最後という理由が分からないけれど、これも何かあるのか?

そういえば結局暗号の解法がわからないまま終わったような・・・。





P2(上巻)

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P2(下巻)

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名探偵のコーヒーのいれ方
クレオ・コイル:著/小川敏子:訳/ランダムハウス講談社

(完璧なコーヒーをいれたいなら、絶対に手を抜いてはだめ。そして事件の謎に立ち向かう時も―。NYの老舗コーヒーハウスを切り盛りするクレアがその朝、店で発見したのは、芳ばしい香りでなく階段から転落した店員の姿。警察は事故と判断したが、不審に思ったクレアは捜査に乗り出し…!?エスプレッソに焼きたてのお菓子。こだわりの味を守る老舗店を舞台に、焙煎したての満ち足りた香りが漂うミステリシリーズ第1弾。)

コクと深みの名探偵シリーズ。
ミステリよりも、コーヒーの豆知識やいれ方なんかを楽しみながらゆっくりと。
名探偵というほど推理が凄かったりする訳ではないですが、ちょっと注意深く読んでおかないとかも。

合間に登場したコーヒーレシピが入っているので、作ってみたくなる。



名探偵のコーヒーのいれ方

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事件の後はカプチーノ

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秋のカフェ・ラテ事件

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危ない夏のコーヒー・カクテル

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秘密の多いコーヒー豆

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コーヒーのない四つ星レストラン

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エスプレッソと不機嫌な花嫁

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ロスト・シンボル
ダン・ブラウン:著/越前敏弥:訳/角川書店

(キリストの聖杯を巡る事件から数年後。大学での静かな生活を送っていたラングドンに、旧友から連絡が入る。フリーメイソン最高幹部のピーター・ソロモンからで、急遽講演を頼みたいという。会場の連邦議会議事堂に駆けつけるが、そこでラングドンを待ち受けていたのは、切断された右手首......薬指には見覚えのある金の指輪。フリーメイソンの紋章をあしらったそれは、ピーターのものに間違いない。彼を人質に取ったというマラークと名乗る謎の男は、ラングドンに "古の神秘"に至る門を解き放てと命じる。そして、切断された手のひらには第一の暗号が記されていた......。
古来より人類が求め続けてきた究極の智恵"古の神秘"の真実とは?
人間、宗教、科学----根源的なテーマを強烈に突きつける、新たな衝撃作。)

ロスト・シンボル公式サイト
天使と悪魔、ダ・ヴィンチ・コードに続くロバート・ラングドンシリーズ。質は変わらず。睡眠時間を削られる。ただ、一日程度で区切られた時間という展開や登場人物の設定が前作と近いので、そういう意味では良くも悪くもある。
背景は良いのだけれど、少々物足りなくもあったかな。文章量倍でも良いや。
アメリカでフリーメーソンといえば、1ドル札や都市計画だが、それらにも触れつつ、当たり前の展開にはしてこない。
&今回は純粋知性科学が登場。胡散臭い(私的には興味のある)分野ではありますが、これを機にまた情報が出てくると良いのだけど。






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青ひげ
カート・ヴォネガット:著/浅倉久志:訳/ハヤカワ文庫

(わたしはラボー・カラベキアン。亡き妻の大邸宅に孤独に暮らす老人だ。かつては抽象表現派の画壇で活躍したこともあったが、才能に限界を感じて今では抽象画のコレクターに甘んじている。そんなある日、若くエネルギッシュな女性が現われ、わたしの人生も大きく変わることになった。彼女は、わたしが誰一人入らせない納屋にいったいどんな秘密があるのか、興味を示しだしたのだ。
ラボー・カルベキアンは、亡き妻の大邸宅で孤独に暮らす老人。トルコ帝国による虐殺を逃れてアメリカに移民してきたアルメニア人を両親に生まれ、画才を生かして抽象表現派の画家となった。一時はポロックらとともに活躍もしたが、才能のなさを思い知って今は抽象画のコレクターに甘んじている。そのラボーが、開かずの納屋に大切にしまいこんでいるものとは一体何なのか?『ガラパゴスの箱舟』に続いてヴォネガットが贈る、人類に奇跡を願う長篇。)

老抽象画家の自伝の形をとった小説。自伝と日記が交互に書かれ、現代と昔を往復する。
秘密の部屋を持つ青髭に、開かずの納屋をもつ主人公を比したタイトルで、特に青髭やジルは登場しない。
人類の奇跡を願う長編という煽りは良く分からない。
読みやすいかというと、そうではないけど、小さなエピソードで登場人物たちを描いていく。
軽い皮肉やジョークを交えた会話も軽妙。
謎についてはここには書かない。
たまにはこういうのも悪くない。







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カンビュセス王の秘宝
ポール・サスマン:著/篠原慎む:訳/角川文庫

(紀元前五二三年。古代エジプトをほぼ征圧したペルシア王カンビュセスは、最後の征討軍をテーベに送った。だが、その巨大な軍隊の足跡は、突然途絶えてしまう。強烈な砂嵐に巻き込まれ、消滅したと歴史では伝えられているが、その謎は、今もまだ解き明かされていない―。現代。タラは考古学者の父の招きで、エジプトを訪れる。しかし、空港にも自宅にも父の姿はない。発掘現場の別宅でタラが発見したのは、すでに死んでいる父の姿だった。そして、部屋に残されていたのは、父が嫌っていた葉巻の匂いだけ…。壮大な砂漠を舞台に、エジプト史上最大の謎解きが幕を開ける。)

原題は、THE LOST ARMY OF CAMBYSES(カンビュセス王の失われた軍隊)。エジプトの原理主義と考古学をうまく合わせてサスペンスに仕立て上げている。展開は悪くないが、個人的には最後のどんでん返しがいまいち。
とはいえ、作品としては悪くない。普通に楽しめる。








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ジブラルタルの女王
アルトゥーロ・ペレス・レベルテ:著/喜須海理子:訳/二見文庫

(恋人が殺されたその夜から、テレサ・メンドーサは逃亡者になった―。作家の“わたし”は、南スペインの裏社会でいまや“南の女王”の異名を取る、謎めいた女富豪の半生をたどりはじめた。中米メキシコの貧民街に生まれ育ったひとりの平凡な女が、いかなる運命の果てに、はるかジブラルタルの海へと導かれたのか。いかにして、麻薬取引という非情の世界に君臨するほどに成り上がっていったのか。すべての始まりは、12年前のある夕刻に突然かかってきた、男の死を告げる一本の電話だった…。 )

女麻薬王の12年を追うジャーナリストの著書という形をとる。一部は実在の人物だったりするらしい。
相変わらず寡黙な主人公によって淡々と話は進む。
他の作品より、ミステリ感は薄いので、その単調さがだめな人はだめかも。

YouTube「La Reina Del Sur」Los Tigres Del Norte











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新帝都物語 維新国生み篇
荒俣宏:著/角川文庫

(時は幕末。会津の古寺から、古より「国生み」に使われてきた伝説の神器・瑠璃尺が奪われた。瑠璃尺を奪ったのは、妖術を巧みに操る不気味な旗本・加藤。加藤は瑠璃尺を用いて日本を滅ぼし、怨霊たちによる新たな幕府を生み出そうと画策していた!平将門の末裔である平田篤胤の娘・おちょうと新選組の土方歳三、全国の平田篤胤門下生らが、加藤の野望を阻止せんと立ち上がる!大ベストセラー『帝都物語』、ここに再始動。 )

帝都物語の前日譚で、帝都幻談の続編にあたる。
本編が良すぎただけに、物足りなさは無くもないが、度量衡による国づくりを中心かなり詰め込まれている。
カバーイラストが田島昭宇に変わった。前作の幻談もこの形で出してくれると良いのだけど。





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サンタ・クルスの真珠
アルトゥーロ・ペレス・レベルテ:著/佐宗鈴夫;訳/集英社

(セビリアに人殺しの教会―。法王のパソコンにハッカーが残した書き込みにヴァチカン外務局が動いた。アンダルシアにうごめく策略と陰謀。クァルト神父が真実に迫る!レベルテ待望の第3弾。)

一見派手な煽りですが、ダ・ヴィンチ・コードのようなことにはならず。
この人の作品は、派手なことにはならないけど、人がいちいち魅力的。






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秀吉の枷
加藤廣:著/文春文庫

(「殿は、いつまでもあの『覇王』の手先であってはなりませぬ」。死を目前にした軍師・竹中半兵衛は、病床で秀吉に四つの忠言と秘策を授けた。天正七年(一五七九)六月、蜂須賀小六、前野小右衛門ら播州から駆けつけた異能集団“山の民”を伴い、秀吉は密かに天下取りに動き出す。大ベストセラー『信長の棺』に続く本能寺三部作、第二弾。)

前作と連動。引き続き、「情報」の入手と伝達を非常に重視した展開。
真実は別として、幾つかの謎に情報という面からの解釈を加えているのは面白い。







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